企業向けダッシュボードを作るときに必ず決めるべき5つのこと― 作って終わらないダッシュボード設計の基本
企業向けにダッシュボードを構築するとき、
多くの人が ツール選定やグラフの種類から考え始めます。
しかし実務では、
- 見た目は整っているが使われない
- 数字は見えるが判断に使われない
- 結局Excelに戻る
といった失敗が頻発します。
原因は単純で、
作る前に決めるべきことが決まっていないからです。
この記事では、
企業向けダッシュボードを作る前に必ず決めるべき5つの設計事項を
実務ベースで整理します。
① 誰が使うダッシュボードなのか(利用者)



最初に決めるべきことは、
**「このダッシュボードを誰が見るのか」**です。
- 経営層
- 部門責任者
- 現場担当者
この違いだけで、
- 表示すべき指標
- 情報量
- 操作性
は大きく変わります。
よくある失敗
- 経営層向けと現場向けを1画面にまとめる
- 「全員が見る」前提で作る
👉
利用者は1種類に絞るのが原則です。
② どのタイミングで使われるのか(利用シーン)



次に決めるべきは、
いつ・どの場面で使われるかです。
- 日々の業務確認
- 週次・月次の定例会議
- トラブル発生時の確認
利用シーンによって、
- 更新頻度
- 表示速度
- 操作の自由度
が変わります。
例
- 会議用 → 操作最小・1画面完結
- 日常利用 → フィルタ・詳細表示あり
③ どの粒度で見るのか(集計単位)



ダッシュボード設計で最も揉めやすいのが
データの粒度です。
- 日別か月別か
- 担当者別か部門別か
- 商品別かカテゴリ別か
ここを決めずに作ると、
「もっと細かく見たい」
「細かすぎて分からない」
という修正地獄になります。
設計の原則
- 最初は粗い粒度
- 詳細は別ページで見る
④ 数字の「正」をどう定義するか(指標定義)



企業向けダッシュボードで
最も重要かつ軽視されがちなのが指標定義です。
- 売上とは何か
- 件数の定義は何か
- 重複は含むのか除くのか
これが曖昧だと、
ダッシュボードを見ても
議論が噛み合わない
という状態になります。
実務ポイント
- 指標定義は文章で明文化
- ダッシュボード内に注釈を入れる
⑤ どう使われることを想定するか(ゴール)



最後に決めるべきは、
**「このダッシュボードを見たあと、何が起きてほしいか」**です。
- 異常に気づく
- 判断する
- 行動を変える
ここが決まっていないと、
- 見るだけ
- 報告用で終わる
ダッシュボードになります。
5つを整理すると
| 項目 | 決める内容 |
|---|---|
| 利用者 | 誰が見るか |
| 利用シーン | いつ使うか |
| 粒度 | どこまで細かく見るか |
| 指標定義 | 数字の正 |
| ゴール | 見た後の行動 |
この5つを先に決めることで、
ダッシュボードは「作って終わり」になりません。
ツール選定は最後でいい
ここまで決めて初めて、
- Looker Studioで足りるか
- BigQueryが必要か
- 別BIツールを使うか
を判断できます。
ツール選定は設計の結果です。
まとめ
企業向けダッシュボード構築で重要なのは、
- デザイン
- グラフの種類
ではなく、
「誰が・いつ・何を見て・どう行動するか」
を先に決めることです。


