Looker Studioはどんな企業に向いているのか?
導入判断で失敗しないためのチェックポイント
Looker Studio(旧:Google Data Portal)は、
無料で使えるBIツールとして多くの企業で検討対象になります。
一方で、
- 「とりあえず導入したが使われなくなった」
- 「思ったより重くて現場に定着しなかった」
- 「自社の業務には合っていなかった」
といった失敗も少なくありません。
本記事では、
**Looker Studioが「向いている企業」「向いていない企業」**を
仕様・運用面から整理し、導入判断に使える具体的な基準を提示します。
まず前提:Looker Studioは万能なBIツールではない
最初に押さえておくべき前提があります。
Looker Studioは
「可視化・共有」に強いツールであり、
データ処理や高度分析の主役ではない
この前提を理解しているかどうかで、
向き・不向きの判断が大きく変わります。
Looker Studioが向いている企業の特徴
① Google系データを多く使っている企業
以下を日常的に使っている企業は、Looker Studioと非常に相性が良いです。
- Google スプレッドシート
- BigQuery
- Google Analytics(GA4)
理由は明確で、
接続が標準で用意されており、設定・運用コストが低いためです。
特に、
- スプレッドシートで月次レポートを作っている
- BigQueryで集計した結果を共有したい
といった企業では、
既存業務を崩さずに導入できます。
② 定型レポートを定期的に共有している企業
Looker Studioは、
「毎回同じ形式で数字を見る」業務に向いています。
例:
- 週次・月次の売上レポート
- 定例会議用のKPIダッシュボード
- 部門別の進捗報告
ExcelやPowerPointで、
- 数字を貼り替える
- グラフを作り直す
といった作業が発生している企業ほど、
導入効果が分かりやすいです。
③ 初期コストをかけずにBIを導入したい企業
Looker Studio自体は 無料で利用できます。
- ライセンス費用がかからない
- インストール不要
- 小さく始められる
そのため、
- BIツールを初めて導入する
- まずは一部業務から試したい
という企業に向いています。
※ただし、接続先(BigQueryなど)には別途費用が発生する場合があります。
④ 社内共有・閲覧が主目的の企業
Looker Studioは、
URL共有・閲覧権限管理が簡単です。
- 閲覧専用で配布
- 編集者を限定
- 社内ポータル的に利用
といった使い方がしやすく、
「数字を“見てもらう”ことが主目的」
の企業には向いています。
⑤ データ処理を別ツールで行える企業
Looker Studioでは、
複雑な前処理や重い集計は苦手です。
そのため、
- BigQueryで集計・整形
- スプレッドシートで前処理
など、
データ処理を別レイヤーで完結できる企業ほど、
Looker Studioを安定して使えます。
Looker Studioが向いていない企業の特徴
① データ入力・編集をBIに求めている企業
Looker Studioは、
- データ入力
- 修正
- 承認フロー
といった用途には向いていません。
「Excelの代わりに全部やりたい」
という発想で導入すると、ほぼ確実に失敗します。
② 高度な分析をBIツールに期待している企業
以下をBIツール単体で行いたい場合、Looker Studioは不向きです。
- 統計解析
- 仮説検定
- 機械学習
- シミュレーション
これらは別環境で実施し、
結果のみを可視化する役割になります。
③ データ定義が決まっていない企業
- 売上の定義が部門ごとに違う
- 指標の正が決まっていない
- 集計ルールが曖昧
この状態でダッシュボードを作ると、
「数字を見ても議論が荒れるだけ」
になります。
Looker Studio以前に、
データ定義・粒度・更新ルールの整理が必要です。
④ リアルタイム性を強く求める企業
Looker Studioは、
- 秒単位のリアルタイム監視
- 常時更新の運用モニタリング
には向いていません。
更新頻度が高い業務では、
設計次第でパフォーマンス問題が発生しやすくなります。
導入判断に使える簡易チェックリスト
以下に多く当てはまるほど、Looker Studio向きです。
- □ Google系データを多く使っている
- □ 定型レポートを定期的に共有している
- □ BIを初めて導入する
- □ 閲覧・共有が主目的
- □ データ前処理は別で対応できる
3つ以上当てはまれば、
Looker Studioは有力候補になります。
他ツールを検討すべきケース
以下の場合は、
Looker Studio以外の選択肢も検討すべきです。
- 入力・管理が中心 → 業務システム/Excel
- 高度分析が主目的 → Python/統計ツール
- 巨大データの即時処理 → DWH+専用BI
まとめ:向いている企業の共通点
Looker Studioが向いている企業の共通点は、
「データを見る・共有すること」に価値を置いている
という点です。
- 処理は別で行い
- 表示と共有をシンプルにする
この役割分担ができる企業ほど、
Looker Studioは強力なダッシュボード基盤になります。


