「どの広告媒体を使うべきか?」と聞かれたときに、最初に考えるべきこと
マーケティングの実務で、必ず一度は聞かれる質問があります。
「で、今回はどの広告媒体を使うのがいいですか?」
この問いに、あなたはどう答えているでしょうか。
- Google広告でしょうか
- SNS広告でしょうか
- それとも動画広告でしょうか
もし、いきなり媒体名を思い浮かべているなら、
それは実務的にはかなり危険な状態です。
なぜならこの質問は、
「媒体選定」の質問ではないからです。
この質問の正体は「判断の順番」を問う質問
「どの広告媒体を使うべきか?」
という問いの裏には、実はこういう意図があります。
- 何を目的にしているのか
- 今、何を前に進めたいのか
- そのために、どんな手段が適切か
つまりこれは、
「どう判断すればいいのか?」
を問われている質問です。
にもかかわらず、
多くの現場ではこう答えてしまいます。
- 「SNSが最近強いので…」
- 「検索のCPAが良いので…」
- 「競合が動画をやっているので…」
これらはすべて、
判断としては弱い答えです。
多くの人が最初にやってしまう間違い
広告媒体選定で最も多い失敗は、これです。
「媒体の特徴」から考え始めること
- 検索広告は刈り取り
- SNSは潜在層
- 動画は認知
知識としては正しい。
しかし、それだけでは判断には使えません。
なぜなら、
媒体の特徴は
「前提条件」が決まって初めて意味を持つ
からです。
実務での正しい思考順序(結論)
「どの広告媒体を使うべきか?」と聞かれたとき、
最初に考えるべきことは、媒体ではありません。
順番は、必ずこうなります。
① 今回、何を前に進めたいのか?
② その判断に使うKPIは何か?
③ ユーザーは今、どの状態か?
④ その状態に合う媒体はどれか?
この①〜③を飛ばして④に行くと、
広告はほぼ確実に失敗します。
① 今回、何を前に進めたいのか?
まず最初に確認すべきは、
**「事業として、今どこを動かしたいのか」**です。
- 認知が足りないのか
- 興味・比較が足りないのか
- 申込・購入が足りないのか
ここが曖昧なまま、
- 「とりあえずCVを増やしたい」
- 「広告は回した方がいいと思う」
という状態で始めると、
後から必ず迷います。
② 判断に使うKPIは何か?(1つだけ)
実務で重要なのは、
KPIを1つに絞ることです。
よくある失敗は、
- CPAも見たい
- CVRも見たい
- 認知も広げたい
と、すべてを同時に追うこと。
これは、
「どう判断していいか分からない」状態を自分で作っているのと同じです。
広告施策では必ず、
「今回は、この数字で判断する」
という合意を先に作ります。
③ ユーザーは今、どの状態か?
次に考えるべきは、
ユーザーの行動段階です。
広告実務では、ユーザーをこう整理します。
- まだ知らない
- なんとなく興味がある
- 今すぐ探している
ここを間違えると、
どんな媒体でも成果は出ません。
- ①の人に検索広告を出す
- ③の人に動画広告で説明する
これは、
判断ミスです。
④ ここで初めて「媒体」を考える
①〜③が整理できて、
ようやく媒体の話ができます。
例えば、
- 「今すぐ探している人」を取りたい
→ 検索広告 - 「興味を持つきっかけ」を作りたい
→ SNS広告 - 「知らない人に存在を知ってもらいたい」
→ 動画・ディスプレイ広告
ここで重要なのは、
媒体は
目的に対する“手段”でしかない
という前提です。
「どの媒体が良いですか?」への実務的な答え方
実務で評価される答えは、こうです。
❌
「SNSが良いと思います」
⭕
「今回は〇〇を前に進めたいので、
KPIは△△で見ます。
今のユーザー状態を考えると、
この段階ではSNSが最も適しています」
この違いは、
知識量ではなく、判断の順番です。
データ分析が活きるのはここ
ここまで整理すると、
データ分析の役割も明確になります。
データ分析は、
- 媒体の優劣を決める
ためではなく - 判断を裏付ける材料を揃える
ために使います。
- 本当にそのKPIがボトルネックか
- ユーザーはどの段階に多いか
- 切るべき選択肢は何か
これを整理できる人が、
マーケティング実務では評価されます。
この記事で持ち帰ってほしいこと
この1点だけ、覚えてください。
「どの広告媒体を使うべきか?」
と聞かれたら、
まず“媒体以外”の話をする
それができるだけで、
- 施策の議論が前に進み
- 無駄な広告が減り
- あなた自身の価値も上がります。
次に読むなら
次は、ここをさらに具体化します。
- 広告KPI(CPA / CV / LTV)は、
どういう場面で使い分けるのか - 広告を「止める判断」を
どうデータで説明するか
ここまで理解できると、
「運用する人」ではなく
**「判断を支える人」**になれます。


